# 日本の会社はイタリアで直接人を雇えるか

> イタリアに拠点のない日本企業が現地で人を雇う方法:直接雇用、現地法人・支店、業務委託、Employer of Record。それぞれの実務を整理します。

「イタリアに法人はないが、日本の会社として直接雇用契約を結べないのか」。日本企業からよく受ける質問です。短い答えは、理論上は可能な場合があっても、実務上はかなり難しい、というものです。

## 選択肢1:日本の会社として直接雇用する

日本の会社がイタリアに住む人と直接雇用契約を結ぶ場合、日本の会社はイタリアで雇用主としての義務を負います。イタリアの社会保険への登録、毎月の保険料の納付、源泉徴収、各種届出です。

そのためにはイタリアでの登録と、イタリアの給与計算を回す体制が必要です。現地の専門家に毎月依頼することになり、法令が変わるたびに対応しなければなりません。さらに、従業員の活動によっては、日本の会社がイタリアで課税対象となる拠点(恒久的施設)を持っているとみなされるリスクも考える必要があります。

1人の採用のためにこれをすべて整えるのは、費用と手間に見合わないことがほとんどです。

## 選択肢2:現地法人か支店を作る

イタリアに子会社(多くはS.r.l.)や支店を設けて、直接の雇用主になる方法です。長期的に大きなチームを持つなら自然な形ですが、設立、銀行口座、税務登録、会計、決算、監査など、継続的な負担があります。開始まで数か月かかることも珍しくありません。

## 選択肢3:業務委託にする

個人事業主として契約する方法です。給与計算は不要ですが、相手が貴社専属で、貴社の指示と時間割で働くなら、雇用とみなされるリスクがあります。その場合、保険料と税金の追徴、罰金が貴社に生じます。

## 選択肢4:Employer of Record(EOR)

EORが現地の法的な雇用主となり、貴社は日々の仕事を指示します。雇用契約、給与計算、社会保険、届出はEORが行います。従業員はイタリアの法令に基づく本物の雇用契約を得ます。

日本の会社はイタリアで登録する必要がなく、サービス契約を1本結んで毎月の請求書を払うだけです。開始は数日で、撤退するときも法人の清算は不要です。

## どう選ぶか

- **1人目〜数名、市場を見極めたい:** EOR
- **短く範囲が明確な仕事:** 本当に独立して働くなら業務委託
- **大きく安定したチーム、現地での契約・販売:** 現地法人(準備中はEORでつなぐ)
- **日本の会社として直接雇用:** 現地の給与計算の体制と恒久的施設の検討が整っている場合に限る

## まとめ

日本の会社がイタリアで人を雇うこと自体は不可能ではありません。ただ、最初の数人のために雇用主としての仕組みを丸ごと作るより、EORで始めて、チームが育ってから法人を検討するほうが、ほとんどの場合現実的です。

方法ごとの比較は[EOR、現地法人、業務委託、駐在員](/italy-eor-vs-entity.html)をご覧ください。

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Source: https://italykoyo.com/articles/can-japanese-company-hire-in-italy-directly.html · 2026-10-23
