# イタリアの給与明細(busta paga)の読み方:日本本社の経理担当者向け

> イタリアの給与明細の構成、総額・控除・手取り、13か月目やTFRの表示、日本の給与明細との違いを、本社経理の視点で解説します。

イタリアの従業員の給与明細(busta paga、cedolino)を初めて見た日本の経理担当者は、項目の多さに驚きます。基本的な構造は日本の給与明細と同じで、支給、控除、差引支給額の3つです。ただし、項目の名前と、どこに何が載るかが違います。

## 明細の基本構造

1. **ヘッダー:** 雇用主と従業員の情報、適用される協約(CCNL)、等級、入社日、対象月。
2. **支給:** 基本給、上乗せ給、勤続昇給、残業、手当、該当月なら13・14か月目。
3. **社会保険料:** 従業員負担分のINPS保険料。
4. **税金:** 所得税(IRPEF)、税額控除、州・市の付加税。
5. **差引支給額:** 手取り。
6. **累計と残高:** 年間累計、休暇・時間休の残高、TFRの積立。

## 支給の項目

- **minimo tabellare(基本給):** 協約が等級ごとに定める最低額。
- **superminimo(上乗せ給):** 最低額を超えて合意した部分。日本の「職能給」や「調整給」に近い感覚です。
- **scatti di anzianità(勤続昇給):** 協約が定める、勤続年数に応じた自動の昇給。
- **straordinari(残業):** 協約の割増率で計算。
- **indennità(手当):** 交替勤務、出張などの手当。

日本の明細でよく見る通勤手当や住宅手当は、イタリアでは標準的な項目ではありません。福利厚生として出す場合は課税の扱いを確認してください。

## 控除の項目

従業員の社会保険料は、日本の健康保険・厚生年金・雇用保険の本人負担にあたります。イタリアでは給与総額のおよそ9〜10%で、健康保険料はありません(医療は税財源)。

所得税は毎月源泉徴収され、税額控除で軽減されます。州と市の付加税は日本の住民税に近いものですが、前年の所得をもとに翌年に分割して控除される点で、日本の住民税の特別徴収と似た流れがあります。

## 事業主負担は明細に載らない

日本の明細と同様、事業主の社会保険料は従業員の明細には基本的に載りません。本社が把握すべき総コストは、明細の総額に事業主負担、INAIL、TFRの積立を加えたものです。当社は明細の要約とあわせて、事業主負担を含めた月次の費用一覧をお送りします。

## 13か月目とTFRの表示

13か月目は通常12月の明細に、14か月目は協約が定める月(多くは6月か7月)の明細に表示されます。按分払いにしている場合は、毎月の明細に按分額が載ります。

TFRは毎月の積立額と累計が表示されます。年金基金に拠出している場合は、拠出額が示されます。日本の退職給付引当金の明細のような位置づけです。

## 年に一度の書類

- **CU(Certificazione Unica):** 年間の所得、源泉税、保険料の証明書で、日本の源泉徴収票にあたります。3月16日までに従業員へ交付します。
- 日本の年末調整のような会社による精算はありません。控除を受けたい従業員は自分で確定申告します。

## 本社でのチェックポイント

- 協約と等級が契約書と一致しているか
- 最低額を下回っていないか
- 残業や手当がその月の承認内容と一致しているか
- 13・14か月目、TFRの引当が月次で計上されているか
- 為替換算の基準日が請求書と一致しているか

給与の構成は[イタリアの給与の構成](/italy-salary-components.html)、届出のスケジュールは[給与カレンダー](/italy-payroll-calendar.html)で詳しく説明しています。

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Source: https://italykoyo.com/articles/italian-payslip-for-japanese-hq.html · 2026-10-16
