# イタリアの有給休暇:日本の年次有給休暇との違い

> イタリアでは有給休暇は入社初年度から年4週間以上。日本の年休(6か月後に10日)との違い、病気休暇との区別、管理の仕方を解説します。

日本の年次有給休暇は、6か月継続勤務して出勤率8割以上で10労働日、勤続とともに増えて6年6か月以上で20労働日になります([厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/faq/kijyunhou_6_00001.html))。イタリアでは、法律で年4週間以上の有給休暇が入社初年度から保障され、多くの全国労働協約(CCNL)がさらに上乗せします。

日数の差以上に大きいのは、休暇に対する考え方の違いです。

## 日本の休暇の運用

日本では年休の取得率が低い時代が長く続き、使用者に一定日数の取得を確保させる仕組みまで導入されました。病気のときに年休を使うのも珍しくありません。休暇は「権利だが、取るには気を遣うもの」という職場は今も多いでしょう。

## イタリアの休暇の仕組み

イタリアでは休暇を一つの枠では扱いません。法律と協約が別々の権利を定めています。

- **年次休暇。** 全従業員に法定の最低日数があり、協約がさらに多く定めることがあります。一部はその年のうちに取得しなければならず、雇用中に金銭で置き換えることはできません。
- **祝日。** 全国で定められ、有給で、年次休暇には数えません。
- **有給の時間休。** 多くの協約が年次休暇とは別に有給の時間や日数(ROL)を加えます。
- **病気休暇。** 別の区分で、年次休暇からは引きません。給与は協約と欠勤の長さに応じて雇用主と社会保障機関が分担します。
- **家族・育児休暇。** 出産、父親、育児の休暇は法律で保護されています。

従業員はこれらを「勤続して獲得する」のではなく、雇用関係の一部として持っています。

## 日本企業がつまずく点

**日本の就業規則をそのまま使えない。** 協約と矛盾するオファーレターや規程は、通常協約が優先します。

**病気に年休を充てさせない。** 日本では体調不良で年休を使う習慣がありますが、イタリアでは病気は医師の診断書による別の制度です。年休の消化を求めてはいけません。

**休暇は「許可」ではない。** 従業員には取る権利があり、管理職の役割は「取るかどうか」ではなく「いつ取るか」を調整することです。

**未消化の休暇は負債になる。** 発生して取得されていない休暇はコストです。管理しないと、支払義務や場合によっては罰則につながります。

## 予算への意味

イタリアの従業員のコストには、給与が払われるが働いていない時間が含まれます。日本と同じ稼働日数を前提にすると、1時間あたりの実コストを過小評価します。最初から計画に入れておけば驚くことはありません。

カバー体制も計画してください。イタリアでは夏、とくに8月に事業が落ち着き、多くの従業員が同時にまとまった休暇を取ります。日本のお盆より長く、全社一斉になりがちです。日本側が8月も通常どおり動くなら、引き継ぎを早めに準備してください。

## 実務の進め方

職務に適用される協約から始めてください。年次休暇の日数、時間休、病気休暇の給与、予告期間がわかります。その上に社内方針を作ります。

1. 従業員ごとの取得済み・発生済みの休暇の記録
2. 繁忙期より前に休暇を計画するカレンダーの仕組み
3. 日本の用語ではなく、イタリアの権利として書いたオファーレターと規程

EORを使えば、正しい協約の適用、残高の管理、区分ごとの給与処理はEORが行います。日々のマネジメントは貴社が行います。

## 文化の話

日本の管理職は、イタリアの休暇の取り方を意欲の低さと受け取ることがあります。それは誤解です。従業員は法律が守る権利を使っているだけで、休んでしっかり戻ってくることがこの制度の想定する普通の姿です。現地のルールを理解し、それに合わせて仕事を組むと最初に伝えてください。どんな特典よりも早く信頼が生まれます。

制度の比較は[イタリアと日本の違い](/italy-vs-japan.html)、費用への影響は[費用シミュレーター](/calculator.html)でご覧ください。

{{< compare-table compact="true" >}}


---
Source: https://italykoyo.com/articles/paid-leave-italy-vs-japan-nenkyu.html · 2026-10-10
